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Sunny Side Forest — “The Lights We Counted”「街の灯りが見える場所」

Sunny Side Forestへ続く道は、街の北側にあった。

石畳が終わると、土の道になる。木々の間から海が見え隠れし、坂を上るにつれて、街の音は少しずつ遠ざかった。

エマが高台に着いたとき、空にはまだ夕方の明るさが残っていた。

ベンチの先には、海と街並みが広がっている。

家々の屋根。小さな港。マルシェの広場。どの建物も、ここから見ると手のひらに乗りそうだった。

ベンチには先客がいた。

薄い上着を着た女性が、街を見下ろしている。膝の上には、一枚の絵が置かれていた。

エマはその絵に見覚えがあった。

カフェの窓際に座る女性と、向かい側の椅子に描かれた淡い人影。

「カフェでお見かけしました」

女性は顔を上げた。

「まあ。あなたも、あの店に?」

「はい。私はエマです」

「マリアよ」

ふたりは少し間を空けて座った。

やがて、港の近くで一つ灯りがついた。

「一つ目」

マリアが、小さな声で言った。

「何を数えているんですか?」

「灯り。昔、夫とよく数えたの」

次に、坂道の家の窓が光った。

「二つ目」

エマもつられて数えた。

「勝った方が、帰り道に何かごちそうしてもらえるんですか?」

「そうだったらよかったんだけど」

マリアは笑った。

「何となく始めただけ。あの人はいつも、私より一つ多く見つけるのよ」

「目がよかったんですね」

「いいえ。たぶん、ずるをしてたの」

そこまで言うと、マリアは少し黙った。

「三年前に亡くなったの。今も時々、ひとりで来るのよ」

エマは何か言おうとして、やめた。

遠くの街では、また一つ、窓に明かりがともった。

「三つ目ですね」

マリアが言った。

「ええ」

しばらくして、マリアは膝の絵を手に取った。

「この前、見知らぬ青年が描いてくれたの。夫のことなんて、何も知らないのに」

絵には、空いた椅子の向こうに、輪郭だけの誰かがいた。

「きっと、空いている場所を描いただけなのね。でも、それが少しうれしかった」

エマは頷いた。

手紙を書いた人が、ここで見たかったものも、もしかしたらこんな灯りだったのだろう。

誰かが帰り、誰かが夕食を始め、誰かが明日のために店を閉める。

一つ一つの灯りには、見えない暮らしがあった。

街が暗くなる頃には、エマは数を忘れてしまっていた。

マリアも、もう数えていなかった。

それでもふたりは、もう少しだけベンチに座っていた。

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